皆さんは『高天原(たかあまはら)』という言葉を聞いた事があるでしょうか?
日本史や日本神話等を読んでいるとよく出てくるこの言葉ですが「よく知らない」という方が多いのではないでしょうか?
高天原とは、日本神話において神々が暮らす天上世界のことです。
『古事記』や『日本書紀』では、天照大御神(アマテラス)をはじめとする神々がこの地で活動し、日本の国づくりへとつながっていきます。
この記事では
・高天原とは何か?
・誰が住んでいたのか?
・私たちの世界との関係性
について分かりやすく解説します。
高天原ってなに?
日本神話について
高天原の説明の前にまずは、高天原が登場する日本神話について説明します。
日本神話とは、日本の正史である『日本書紀』及び『古事記』の【神代】の事を指します。
日本書紀と古事記はまとめて『記紀』と呼び、私たちが学校で習う歴史の書かれた書物ですが、冒頭部分は神々の登場する物語である神代が記されています。
この神代を指して現代では一般に日本神話と呼ばれる様になりました。
高天原とは

この神代、すなわち日本神話の舞台となるのが高天原です。
『記紀』では、天地が生まれたあと最初に神々が現れた場所として登場し、多くの神々がこの高天原を舞台に活躍します。
特に有名なのが、
- 天照大神(アマテラス)
- 須佐之男命(スサノオ)
- 月読命(ツクヨミ)
といった“三貴子”の神々です。
彼女らは高天原で活動し、その後の日本神話の中心人物となっていきました。
高天原はどこにある?
高天原の正確な場所は、神話の中でも明確には語られていません。
しかし「高い天の原」と書くように、一般的には「天上世界」と考えられており、人間の住む世界とは別の場所として描かれています。
日本神話では世界が大きく3つに分けられています。
| 世界 | 読み方 | 概要 |
|---|---|---|
| 高天原 | たかあまはら | 神々の天上世界 |
| 葦原中国 | あしはらのなかつくに | 地上世界(日本) |
| 黄泉の国 | よみのくに | 死者の世界 |
このうち高天原は最も神聖な領域とされました。
高天原を舞台としたエピソード

高天原を舞台にした神話の中でも特に有名なのが「天岩戸神話」です。
高天原の統治者であるアマテラスは、弟のスサノオが高天原で暴動を起こした事を悲しみ、
天岩戸と言われる洞窟に閉じこもってしまいます。
すると太陽が昇る事は無くなり世界は混乱に包まれました。
困った神々は天岩戸の前に集まり、祭りを開いて天照大御神を外へ誘い出します。
こうして世界には太陽が昇る事になり、平和が取り戻されました。
これはアマテラスが太陽の神であることを示す重要なエピソードとなっています。
天岩戸神話について詳しくは↓
高天原って実在するの?
日本の正史にしっかりと記されている高天原は、後世の学者によりその実在性について様々な議論が行われました。
日本のどこかに存在している
そもそも神話自体が創作だから考える事自体がナンセンス
概念的な存在だから天空にあると考えていい
など多くの意見があり、実際のところ、高天原の場所は現在でも明確には分かっていません。
そもそも大元の『記紀』が編纂された奈良時代は天皇を中心とした統一国家を目指している時代でした。
その中で、各地に伝わっていた神話や伝承をまとめ、日本の歴史として体系化していったモノが『記紀』だと考えられています。
とするならば、伝承の元となった事柄は確かに存在し、高天原にもモデルが存在したのかも知れません。
しかし、高天原の実在性よりも重要なのは、高天原という神話世界が古代から現代まで語り継がれ、日本人の歴史観や文化の中に生き続けてきたことでしょう。
高天原と私たちの世界の関係
高天原は日本に住む私たちにも深い関係があります。
アマテラスは孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に地上の統治を命じ、葦原中国へ送り出しました。
この神話が【天孫降臨】です。
そして、その子孫が初代天皇とされる神武天皇へとつながることで、天皇の祖先は天上の神々に由来するという考えが生まれました。
こうした神話は、古代国家の成り立ちや皇室の権威とも深く結びつき、日本人の歴史観や文化に大きな影響を与えていきます。
つまり高天原は、単なる神話の舞台ではなく、日本文化の原点のひとつともいえる存在なのです。
天孫降臨について詳しくは↓
高天原の伝承地
高天原の実在性はハッキリとはしていませんが、日本各地には
「ここが高天原ではないか?」
と伝えられる場所が残っています。
特に有名なのが、宮崎県の高千穂と奈良県の高天です。
宮崎県・高千穂町
宮崎県高千穂町は、日本神話との結びつきが特に強い地域として知られています。
『記紀』では、アマテラスの孫であるニニギが地上へ降り立った【天孫降臨】の舞台として、日向(宮崎県)の地が描かれています。
そのため、高千穂は神話と関係の深い土地として信仰されてきました。
現在でも高千穂町には神話ゆかりの地が数多く存在しています。
天岩戸神社
天岩戸の伝承地とされる神社です。
神社の奥には、御神体として岩戸川対岸の洞窟が祀られており、ここが天岩戸神話の舞台になったと伝えられています。
天安河原
八百万の神々が集まり、天照大御神を岩戸から出す相談をした場所と伝えられています。
奈良県・高天
奈良県御所市には、「高天(たかま)」という地名が現在も残っています。
この地域は古代の豪族である『葛城氏』との関わりが深く、古くから神聖な土地として信仰されてきました。
「高天原という神話世界は、この高天の地名がもとになったのではないか?」
という説もあります。
この説では、『葛城地域は古代ヤマト王権成立以前から強い宗教的権威を持っていた』とも考えられており、“神々の世界”というイメージが形成される背景になった可能性があると考えられています。
まとめ
高天原とは、日本神話における神々の世界です。
『古事記』や『日本書紀』では、天照大御神を中心とした神々が暮らす天上世界として描かれ、多くの重要な神話の舞台となっています。
天岩戸神話や天孫降臨など、日本神話の中心となる物語の多くは高天原から始まりました。
また、高天原は天皇家の起源とも深く結びついており、古代日本の国家観や信仰にも大きな影響を与えています。
高天原を知ることで、日本神話の世界観や神々のつながりがより理解しやすくなるでしょう。
重要ポイント
✔高天原は天上の神々の世界
✔皇室のルーツとなる神々が住んでいた
✔現代にも伝承地がある






