鳥海山大物忌神社について

Douglaspperkins – 鳥海山:投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる
山形県飽海郡遊佐町を中心に、麓(里宮)と山頂(本社)にわたって鎮座する神社、鳥海山大物忌神社(ちょうかいざん おおものいみじんじゃ)。その名の通り、主祭神を大物忌大神として山そのもの=鳥海山を御神体とする山岳信仰の神社です。
この神社は二つの宮を有しており「吹浦口ノ宮」「蕨岡口ノ宮」があり、どちらも鳥海山の麓に位置しており、登拝の起点としても親しまれています。
山岳神社と言うだけあって、本殿へは登山が必須となるので参拝の際は十分な準備の上で臨むのがおすすめです。
| 御祭神 | 大物忌大神 |
|---|---|
| ご利益 | 農業 衣食住 |
歴史
創建
鳥海山大物忌神社の創建は第12代景行天皇の頃とする伝承と第29代欽明天皇の頃とする伝承が存在しており、どちらの時期の創建が正しいかはハッキリ分かっていません。

景行天皇:Published by 三英舎 (San’ei-sha) – “御歴代百廿一天皇御尊影”, パブリック・ドメイン, リンクによる

欽明天皇:三宅幸太郎 (Kōtarō Miyake) – “御歴代百廿一天皇御尊影” (Rekidai Son’ei, Portraits of Japanese Emperors) [1], パブリック・ドメイン, リンクによる
しかしいずれにせよ1500年以上の歴史があるのは確かで、古代より神の宿る山として信仰され、噴火の度に神々を鎮める儀式が行われていました。
中世
やがて平安時代になると、この神社は国の公式な記録にも登場します。
当時の国内の神社をまとめた書物『延喜式神名帳』には、“名神大社”として記されている事から、この時には既に格式の高い神社として国から認められていた事がわかります。

またこの頃には神仏習合の風潮に従い仏教的な性格も帯びる様になり、多くの修行僧を抱えはじめ、次第に『鳥海山大権現』と呼ばれるようになっていきます。
明治以降
しかし明治時代に入り、神仏分離令が発令されると仏教と切り離され再び『鳥海山大物忌神社』と名乗るようになりました。
そして平成20年には、その歴史的価値が認められ、国の史跡にも指定されています。
境内のみどころ
本殿

ChiefHira – 本殿(鳥居奥)および社務所(左):投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
まず、山頂に鎮座する御本社は、鳥海山そのものを神体山として仰ぐことができる特別な場所。登山を伴う参拝道もあり、信仰登拝として人気です。山頂社殿は式年造営制が敷かれており、平成29年には新たに造営されたとの資料もあります。
吹浦口ノ宮
ChiefHira – 本殿:投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
麓の「吹浦口ノ宮」は、アクセスしやすい里宮として、日常の参拝者にも親しまれています。5月5日の例大祭や、前夜祭での吹浦田楽奉納などが行われることでも知られています。
ChiefHira – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
蕨岡口ノ宮
ChiefHira – 本殿:投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
また「蕨岡口ノ宮」では、随神門・本殿・神楽殿が国登録有形文化財となっており、建築的にも見応えがあります。
ChiefHira – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
るろうに剣心ロケ地
ちなみにこの蕨岡口ノ宮は映画『るろうに剣心 京都大火編』のロケ地として選ばれ、主人公緋村剣心と沢下条張の決戦の場として使われていたりもします。
アクセス
| 所在地 | 吹浦口ノ宮:山形県飽海郡遊佐町吹浦布倉1 蕨岡口ノ宮:山形県飽海郡遊佐町上蕨岡松ヶ岡51 |
|---|---|
| 電話番号 | 0234-77-2301 |
| 御朱印 | あり |
| 営業時間 | 9:00〜12:30 13:00~16:30 |
| アクセス | 吹浦口ノ宮:JR羽越本線「吹浦駅」から徒歩5〜10分程度 蕨岡口ノ宮:JR遊佐駅より車で15分程度 |
| HP | https://oomonoimijinja.verse.jp/ |


