彌彦神社について

越後平野の中央、新潟県の弥彦山の裾野に静かに鎮まる 彌彦神社。
西蒲原郡弥彦村に所在し、地元では親しみを込めて「おやひこさま」とも称されます。越後国の一宮であり、かつては国幣中社、現在は別表神社という格付けを持つ『万葉集』にも歌われた古い神社です。
社殿まわりを包む鎮守の森は古木が繁り、森深い空気と静謐な雰囲気が参拝者を迎えてくれます。
また、神社の創建伝承は非常に古く、「2,400年以上の歴史を有する」と伝えられることも多くの資料で語られています。
| 御祭神 | 天香山命(あめのかごやまのみこと) |
|---|---|
| ご利益 | 縁結び |
歴史
創建~中世
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彌彦神社の由緒は古代に遡る伝承を基盤としています。まず社伝によれば、孝安天皇元年(紀元前392年)2月2日、天香山命(あめのかごやまのみこと)が越後の国の開拓を終え、弥彦山(当時は「神劒峰」などの称もあり)に葬られたのが始まりとされ、御子である天五田根命が最初の廟社を建立して奉祀したとされます。
その後、第十代崇神天皇の代に、勅命を受けて 建諸隅命(たてもろすみのみこと) が社殿を造営したとの伝承も残ります。

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さらに、和銅4年(711年)には勅命により神域の拡張と神戸・神領の境界設定がなされたとも伝えられています。
また、文献における彌彦神社の初見は『続日本後紀』天長10年(833年)7月条に「越後国蒲原郡伊夜比古神 名神に預かる」と記された記録で、以後、承和9年(844年)、貞観3年(861年)などにも神階授与が記されます。
これは朝廷からの信任を受けつつ、時の武家・地方権力者からも厚く庇護されてきた歴史を持つ事を物語っています。
中世以降、源頼朝による神領寄進、後醍醐天皇の勅額奉納、さらには江戸時代に徳川将軍家による社殿修理寄進などの記録も伝えられています。
明治以降
楊洲周延 – http://www.univie.ac.at/rel_jap/gesch/staatsshinto.htm, パブリック・ドメイン, リンクによる
明治期に入ると、彌彦神社は国家神道体制のもとで「国幣中社」に列せられ、越後国の一宮として再び重んじられるようになります。
しかし、明治45年(1912年)、弥彦村を襲った大火によって社殿をはじめ多くの建物が焼失。村一帯が火に包まれたこの災禍は、地元史の中でも「弥彦の大火」として今も語り継がれています。
その後、地域住民の献身的な努力により、大正5年(1916年)に現在の社殿が再建されました。
伝統的な「流造」を基調に、近代神社建築としての荘厳さと構造美を兼ね備えた社殿が完成しました。この社殿は現在も、近代神社建築の名作として文化的価値が高く評価されています。
現代

平成13年(2001年)には改めて屋根葺替等の大規模修繕(平成大修営事業)が行われたと伝えられています。
さらに、再建100年を迎えた平成28年(2016年)前後には、遷座百年記念事業として神苑や附属施設の整備が行われました。弓道場や相撲土俵、鹿苑、日本鶏舎なども新たに整備され、伝統と現代技術が融合した神域として生まれ変わっています。

彌彦神社のみどころ
彌彦神社には、参拝者を引きつけるさまざまな魅力があります。
鎮守の森

境内は鬱蒼とした木々に覆われ、古欅や老杉が荘厳さを醸し出します。空気の澄んだ朝などは、まるで時間が止まったような静謐さを感じることができます。
また秋には紅葉が色づき季節ごとに違った景観を味わえます。
火の玉石(重軽の石)

手に取ったときの「重さ・軽さ」によって願いの成就を占うとされる石。参拝者が試してみる人気のスポットです。
玉の橋

神様が渡るとされている玉の橋。周辺の景観も相まって人気の撮影スポットです。
奥宮(御神廟)
けんち – Yahiko shrine goshinbyo.JPG, パブリック・ドメイン, リンクによる
弥彦山山頂にまで足をのばせば、主祭神・天香山命と妃神・熟穂屋姫命が祀られており、縁結びの信仰が伝えられています。春・秋には御神廟祭が斎行され、360度の大展望も楽しめます。
大鳥居

境内とは離れますが、彌彦神社の最寄り弥彦駅から一駅の矢作駅付近に、彌彦神社の大鳥居が構えられています。
昭和50年(1982)の上越新幹線の開通を記念して建てられた、30Mにも及ぶ巨大鳥居です。
アクセス
| 所在地 | 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2 |
|---|---|
| 電話番号 | 0256-94-2001 |
| 御朱印 | あり |
| 営業時間 | 8:30〜16:30 |
| アクセス | JR弥彦線「弥彦駅」から徒歩約15分 北陸自動車道・三条燕ICから車で約30分 |
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