檜原神社について
檜原神社は、奈良県桜井市に鎮座する古い神社で日本最古の神社である大神神社の摂社です。
その歴史は深く、日本書紀に登場し天照大神を祀る最初の神社で、伊勢神宮の基となった『元伊勢』の一つとなっています。
歴史
崇神天皇期
日本書紀によると、第10代崇神天皇の時代、日本中に疫病が広がりました。
「人口の半分が病死した」と記されるほどのパンデミックであり、その被害の大きさは甚大なものだったのでしょう。
天皇はこれまで宮中で祀っていた高祖・天照大神を適切な場所で正式にお祀りする事で、その威光により疫病を鎮めようと試みます。
そこで、崇神天皇の娘である皇女・豊鍬入姫命が天照大神を祀る役割を授かりました。

彼女は大和の笠縫邑に祭壇を設置し、大神の御神体である八咫鏡を祀る事で
初めて正式に高祖・天照大神をお祀りする体制を整えたのでした。
そしてこの笠縫邑の祭壇があった土地こそが現在の檜原神社であると伝えられています。
笠縫邑が何処にあったのかは他説も存在し、同じ桜井市の「志貴御県坐神社」、「笠山荒神宮」など複数の説が存在します。
垂仁天皇期
第11代垂仁天皇の治世では、天照大神を祀る祭壇を笠縫邑から移転する計画が持ち上がります。
この任務を任されたのが垂仁天皇の娘である皇女・倭姫命でした。
彼女は笠縫邑の豊鍬入姫命から天照大神の御神体である八咫鏡を受け継ぎ、大神を祀る為の神聖な場所を求めて長い旅に出ます。

旅の中でいくつもの土地にお祀りしては転々として、ついに伊勢にその場所を見出しました。
これが現在の伊勢神宮・内宮です。
この旅の中で天照大神をお祀りした場所は『元伊勢』と呼ばれており、檜原神社は初代『元伊勢』に数えられています。
檜原神社の特徴と観光


檜原神社は大神神社の北東に位置しており、大神神社境内から奈良県のハイキングロードである『山の辺の道』を介して通じています。


山の辺の道を抜け檜原神社に入ると大きな鳥居が出迎えてくれます。
立て看板には笠縫邑の文字が。


鳥居の正面にメインとなる三ツ鳥居が建てられています。
三ツ鳥居の発祥は古く、詳細は未だ不明となっていますが、大神神社と関係の深い神社に見られる鳥居で、本殿の代わりに三輪山を祀ることを目的として建てられたものだと考えられています。
檜原神社には本殿がありません。
代わりに三輪山を御神体として崇める古代の自然信仰の姿を今に残す数少ない神社です。

三ツ鳥居の隣には豊鍬入姫命が祭られています。
アクセス
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 奈良県桜井市三輪1422 |
最寄り駅 | JR桜井線「三輪駅」 徒歩約40〜50分 |
車でのアクセス | 西名阪道「天理IC」または「郡山IC」より約30分 |
駐車場 | あり(無料・神社近くに数台) |