橿原神宮とは

橿原神宮は奈良県橿原市にある、初代天皇である神武天皇を祭る格式の高い神社です。
日本最古の正史書である〖日本書紀〗には第一代天皇である神武天皇が紀元前660年に日本創建の地として橿原宮を置いた地が橿原だとされており、明治時代に神武天皇を祭る為その跡地に建設されたのが橿原神宮です。
歴史
橿原神宮は初代天皇の神武天皇を祭る神宮であるのでその歴史を語る場合は神武天皇について知る必要があるのでここで簡単に紹介しましょう。
神武天皇の建国神話
〖日本書紀〗によれば神武天皇は天照大神から数えて5代目の孫で神代からの系譜を受け継いだと言われる人物です。
※神様・・・?と思うかもしれませんがこれは神武天皇は正真正銘の人間です。
日本書紀という歴史書では神代から始まるので神様である天照大神からその血を受け継いだ人間として生まれたのが神武天皇と言う訳です。
神武天皇は日向の国(宮崎県)に生まれました。
彼には神の血を受け継いだ者として葦原中国(日本)を統治する使命がありました。
※葦原中国 ⇒日本書紀では神々の住む高天原と使者の世界の黄泉の国の中間にあるとされる人の世界つまり私たちの住む現実世界の事。狭義では日本列島を指す。
そして神武天皇は考えます。
葦原中国を統治するにはどうすれば良いのか、どうすれば平和で繫栄した世界へ導けるのか。
考え抜いた結果、葦原中国に新たな国を建国し他の人々を治める事により世の中を治めようと結論を出します。
さらに建国の為には相応しい都が必要があるとして、山々に囲まれた神聖な土地である大和(現在の奈良県)に都を立てる必要があると考えるのです。
その後神武天皇は大和を目指して日向の国から遠征を始めます。
これは神武東征と呼ばれ古事記にその旅路が書かれていますがこれは別の機会に詳しく記事にしましょう。

険しい旅路の後ついに大和の地に辿り着いた神武天皇は紀元前660年の2月11日に大和の橿原の地に都を作り、日本国を創建しました。現在ではこの日は建国記念日とされています。
橿原神宮の創建
橿原神宮の創建は明治時代に遡ります。
この時代、西洋列強によるアジアの植民地化に対抗する為、日本はこれまでの幕藩体制から抜け出し、天皇を中心とした強力な国家を作り上げる事が求められていました。
天皇中心の国つくりの為に歴代天皇の陵墓などを整備する動きが各地で起こりました。
この時、民間有志結社が神武天皇を祭る為の神社の創建を嘆願し、時の天皇である明治天皇がこの嘆願を聞き入れ神武天皇が都を置いた橿原の地に橿原神宮は創建されました。1890年の事です。
その後数々の寄付や国からの支援金を元にどんどん敷地を拡大。面積は東京ドーム43個分となり
さらに約7万本のカシの木が植木されます。
橿原神宮の観光
橿原神宮へは近鉄南大阪線の橿原神宮前駅が最寄り駅となります。


駅のホームを出ると日本の始まりをアピールする看板が、令和22年は紀元2700に当たる様ですね、こう考えると日本の歴史って長いですね...


駅から5分ほど歩くと橿原神宮の鳥居が見えてきます。
入り口からとても大きな神宮だという事を実感できます。

正面の鳥居から長い参道が続きます。立ち並ぶカシの木が雰囲気を出してますね。
奥には第二鳥居も見えます。
神社の鳥居は通常赤色ですがここでは木本来の美しさを押し出した白みたい木つくりとなっている様です。出雲大社等の格式の高い神社ではよく見られるそう。

参道を抜けると南神門。デカいです。


南神門を抜けると外拝殿、さらにそこから内拝殿を拝む事が出来ます。


平成31年に天皇陛下が読まれた詩が刻まれた石碑が。隣には国家に登場するさざれ石も置かれています。

少し歩くと巨大な池が出現。
これは深田池といって飛鳥時代に作られたものだそうです。鴨がとてもかわいいです。
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